予備知識
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違い
- 次亜塩素酸ナトリウムについて
- 次亜塩素酸ナトリウム、または次亜塩素酸ソーダ(ナトリウムをソーダと呼びます)は同じ液体で、塩素系漂白剤として市販されている商品が有名です。
そして、結論からいうと「次亜塩素酸ナトリウム」と「次亜塩素酸水」は異なります。
「次亜塩素酸水」と名前が似ていることや、厚生労働省等が「次亜塩素酸ナトリウム液」としての「物品」に対する消毒を推奨していることもあり、しばしば使用方法を混同している情報を目にすることがありますが、アルカリ性である次亜塩素酸ナトリウム液は人体への影響が強いため、取り扱いには十分な注意を払うこと、また次亜塩素酸水とは異なるという認識を持つことが必要です。 -
出典:厚生労働省 次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料
- 市販されている「次亜塩素酸ナトリウム」は、有効成分濃度の減少を抑えるために苛性ソーダを混ぜ、pH13程度に調整されています。
これは流通過程で有効塩素が分解することによる酸素の発生を抑え、誤って酸と混合しても塩素ガス(Cl2)が発生するpH値まで低下しずらくするためです。 - 次亜塩素酸ナトリウムは、図2のように、アルカリ性では殺菌力の弱い次亜塩素酸イオン(ClO-)として存在しており、液性が酸性に傾くにつれて殺菌力の強い次亜塩素酸(HClO)に変化していきます。
しかし、次亜塩素酸ナトリウム希釈液を厚生労働省の推奨する0.05%(500ppm)以下で希釈した場合でも、pHがアルカリ性のままですので、消毒剤として利用する場合には人体への影響も加味すると「次亜塩素酸水」に軍配があがります。
取り扱いには手袋の着用が推奨され・物品への利用にとどめられるのはそうした理由からです。
※混ぜるな危険の表示は、酸性のものと混ざることにより、液性が一気に酸性に傾き塩素ガスを発生させないように努めるための一表記です。
※塩素ガスは第二次世界大戦中に毒ガス兵器として使用されたという歴史もあるほどで、吸い込むと呼吸困難等の症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。
※次亜塩素酸水についても同様の注意を払い、速効!ジアエンド。に同封の「まぜるな危険シール」で第三者への注意喚起を行ってください。 -
出典:厚生労働省 次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料
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新型コロナウイルス消毒・除菌方法一覧(それぞれ所定の濃度があります)
方法 モノ 手指 現在の市販品の薬機法上の整理 水及び石鹸よる洗浄 ○ ○ ― 熱水 ○ × ― アルコール消毒液 ○ ○ 医薬品・医薬部外品(モノへの適用は「雑品」) 次亜塩素酸ナトリウム水溶液
(塩素系漂白剤)○ × 「雑品」(一部、医薬品) 手指用以外の界面活性剤
(洗剤)○ ―
(未評価)「雑品」(一部、医薬品・医薬部外品) 次亜塩素酸水
(一定条件を満たすもの)○ ―
(未評価)「雑品」(一部、医薬品) ※薬機法上の承認を有する製品が一部あり、そのような製品は手指消毒も可能。
出典:厚生労働省・経済産業省・消費者庁 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について